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神様から与えられた確かな平安

小さき群教会(福島県いわき市) 冨士田浩子

3月11日の午後、あの巨大地震が起きる10分ほど前、わたしは庭の様子を見回っていました。すると突然、今まで体験したことのない揺れを感じました。急いで台所の出入り口の戸を開け放ち、少し傾いてしまったガスボンベの元栓を閉め、周りに建物のな駐車スペースのフェンスに掴まり、左右に揺れている近くの電柱や、将棋倒しのように次々とすべて崩れ落ちていく大谷石の塀、大きな音を立てて落下している彼方こなたの屋根瓦を見ながら、揺れが治まるのをひたすら待ちました。
家の中に入ると、余りの変わりようで、これはただごとではないと直感しました。すぐに川の近くに住んでいる妹宅へ電話をしましたが通じません。水道は断水していましたが、テレビでニュース速報を見ることができ、かつてない大津波や原発の事故を知り、家庭祭壇の前で祈ることしかできませんでした。
次々とズシーンと不気味な音を伴ってやってくる余震の中、危険物から片付け始めました。時間の経過と共に、大きな被害と多くの死者や行方不明者が出ていること、そして、恐ろしい放射性物質による汚染が広がっていることを知りました。神様ができるかぎり被害を少なくしてくださるようにと、ひたすら祈りました。
その後起こった4月11日の余震は、震源地が内陸で近かったためか、わたしのところでは3月の本震より多くの被害が出ました。昼夜の別なくやってくる大小様々な余震のたびに、神様の御名を呼びながら、神様から与えられている平安を実感いたしました。「見よ、わたしを救われる神、わたしは信頼して恐れない。主こそわたしの力、わたしの歌、わたしの救いとなってくださった。」(イザヤ書 12:2)
このたびの「東日本大震災」を通して、永遠に変わらないのは、神様の御名、神様の御言葉、神様の愛であることを、改めて深く思いました。被災の中にあっても、確かに頼れるもの、確かに応えてくださる全能の主に感謝をささげ、あふれ出る賛美歌を口ずさむことができる幸いを、感謝します。
重いものを持つことのできないわたしは、多くの方々のお世話になりました。また、たくさんの支援物資をいただき、心より感謝をしております。今、一日も早い復興、一進一退を続けている原発事故の上にも、神様が働いて、最善の収束を見ることができますように、微力ながら祈っていきたいと思います。